日本財団 図書館


 

金沢市のパーク&バスライドは小さな試みで行われたものですが、こういうものを幾つか重ねていくことにより、市民の意識というものを高めていきたいと思います。
私は一週間に一度バスに乗り登庁しています。市長は大変奇異な目で私の顔を見ます。何故、公用車を使わないでバスに乗っているのかということを市民の一人一人が、ご理解いただければ大変ありがたいと思っています。パーク&バスライドのもつ意味と市民に何故パーク&バスライドなのかという意識を高めていく一つの手法であろうと思い、地道に確実に施策を展開していきたいと思っています。

 

●藤田コーディネーター

 

公共交通機関、大量輸送機関であるバスの利点について、やや整理して考える必要があろうかと思います。太田さん、バスの利点を改めて整理していただくとどのようなことになるのでしょうか。

 

●太田先生

 

交通手段の中で固定費用がかなり少なく、施設としては車両、通路は道路であり一般の車と一緒になっているということで、公共交通システムとしては固定費用が比較的少ないということとがあげられます。
また輸送単位がバスの車両に依存する点で小さいものから大容量のものまで、基準等もありますが、11人から大きいバスで270人というバスが世界的にもあります。使い方次第で大変柔軟なサービスを提供し得るということが、一番のメリットだと思います。欠点というか、一般車と走ると今までの議論のように一般車の方の交通流に巻き込まれるということで渋滞になってしまい、やはり専用的な走り方をする交通路の方をきちんと整備すれば非常に大きな輸送力が期待されます。柔軟性があるため、使い方次第で大きな効果も期待できますが、上手く使わないとあまり効果がみられないというところが問題かと思います。

 

●藤田コーディネーター

 

重ねて伺いますが、環境面に対する負担についてはどうでしょうか。

 

●太田先生

 

環境面をどう考えるのかということですが、大気汚染の発生・騒音ということでみますと、単体で1台毎に考えれば当然乗用車1台に比べて騒音が大きく排ガスも多いですが、問題は何人運んで一人当りどうかということではないでしょうか。
現実に全国の平均値をみますとエネルギーや輸送人員数でみると1対3くらいの比率で乗用車に比べ効率がよいということです。結局一台に何人乗っているかにより効率が違いますが、一般的に相当環境上も問題は少ないということがいえると思います。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION